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やぶ便り

やぶ便り・訪問レポート

2.フルーツトマト
    2.フルーツトマト3.栽培風景4.ミツバチの巣箱5.日よけ設備6.のぼり(甘えん坊の赤オニくん)宮崎一彦部長1.栽培棟外観

八鹿鉄工 トマト生産施設(太陽光利用型野菜工場) 訪問レポート

—– 会社の概要

 八鹿鉄工本体は昭和16年創業、売上高約36億円、従業員数約160名で、農業用機械をヤンマー向けにOEM生産するのが主力事業。事業の初期は原始的な「わら切り機」からスタートし、ヤンマー製コンバインの後部に装着して使う「コンバインカッター」の生産で急伸した歴史を持つ。「コンバインカッター」は刈り取られた稲からもみを脱穀した後、わらを切断し、再び肥料となるように田に散布する器具で、ヤンマーのコンバインに標準装備されている。この分野では過去に全国シェアの40%を占めており、市役所担当者によると、「養父市内の民間企業としてトップクラス」の地位にある。現在は除雪機や田植え機のアタッチメントなども製造しており、広大な本社の敷地にこれらの工場が連なっている。

—– トマトの栽培を始めた経緯

 現在のアグリ事業部の責任者である宮崎氏が寺田会長から、「本社の向かいの更地を有効活用するように」と言われたのが新規事業の発端となった。最初は介護関連事業を考えたが、人を扱う職の難しさやヘルパーの離職率の高いことから、素人には困難であると判断した。次にスーパーやディスカウントストア、外食産業などにも声をかけて誘致を試みたが、やはり人口減少地域であることがネックとなり実現することはなかった。
 その後、地域と共に共存していくには農業に取り組むしかないとの考え方に辿りつき、最初はLEDを使った植物工場を考え、低カリウムレタスの生産などのための工場レイアウトまで作ってみたが、投資金額が非常に大きいので躊躇していた。そんな中、「トマトの成分がメタボ対策に効果がある」との報道で丁度トマトが日本でブームになりつつあったのでトマトを検討することにした。つまり、試作したレタスを他人に試食してもらうと、「パリパリとした食感でおいしいですね」というようなコメントしか得られないものが、トマトでは作り手により味が独自に作れることに注目し、「甘さ」や「酸味」「薄皮」「食感」などの表現の奥深さができ、その中でも「甘い」という部分の付加価値が高いように思われた。当初、雪深い但馬での周年トマト栽培はムリだとも周囲から言われたが、覆してやるという思いもあって挑戦を決めた。

—– 栽培されているトマトについて

 栽培しているトマトの品種はフルティカという高糖度トマト。トマトの糖度はメロンと同等の平均約10~13度で、トマトとしてはこれ以上ないぐらいの甘いレベル。8月に定植する周年栽培で、この時期では定植から3ヶ月後に収穫できるようになる。年間収穫量は10tを見込む。
春と秋の時期は、受粉にクロマルハナバチを使っている。それ以外の時期はトマトトーンで人工的に受粉させている。
島根県の㈱農援隊というところから技術サポートを受けているが、㈱農援隊は神奈川県のメビオール㈱のアイメック農法の代理店。アイメックス農法とは養分に浸った不織布の上に特殊なフィルムを敷き、その上にトマト苗を成長させる農法。フィルムに開いたナノサイズの無数の穴から不織布に浸みた養分を摂取させることで甘いトマトと高い栄養価のトマトを育てる。メビオール㈱は医療用の特殊フィルムの技術者が中心となり、早稲田大学のベンチャーとしてスタートした企業とのこと。
㈱農援隊は山陰合同銀行豊岡支店から紹介された。㈱農援隊が養父市商工会の専門家派遣を通じて6次産業化の指導に当社へ来られたことがきっかけとなり、その時に頂いたトマトを食べた感動からトマトづくりの始まりとなった。今年(平成26年)の2月に最初のトマトが収穫出来た。当初のものは水臭く、いろいろ批判も出たが現在(平成26年5月)は味が乗って良くなってきている。ただ、まだ実験的段階であることには変わりない。トマトの生育や気温、湿度、日照時間の違いで、灌水量、養液濃度などをコントロールする必要がある。栽培地域の日照時間の長さや一日の寒暖差(トマトは10度以上が必要とされる)などが違うと、同じ品種のトマトでも全く違う味のものが出来るようだ。現在は甘味を増す方法と酸味を増す方法をミックスして、独自のノウハウを蓄積している最中。
 夏場は施設内が40度近くになるのでトマトの甘みが少なく、実も硬く小ぶりになる。高温障害で花が落ちたりもするため、温度を下げるためにハウスクーラー(ミストを噴射して気化させ、温度を2度程度下げる機械)を使っている。逆に冬場はトマト栽培での最低気温12度を保つためにLPガスで加温しているが、燃料高騰もあり、ガス代がピーク月に35万円費やす。

—– 生産体制等

 施設面積は現在960㎡(20m x 48m)で、最も高い場所は8mの高さがある。フィルム外壁に温度調節のための開閉扉(天窓)や遮光カーテン(日よけ)なとも装備しており、入り口は二重扉となっていて太陽光利用型の野菜工場としては標準的なタイプに思われる。トマト事業の従業員は現在6名で、栽培数は3500株、毎日の出荷が30kg~40キログラムになる。また、今は一列の畝に苗を一列に植える「一条植え」で栽培している状態だが、次は一列の畝に苗を二列に植える「二条植え」に変更して、栽培7000株レベルにしたいとのことだった。 現在の施設は960㎡の棟が1つのみだが、近々に増設して3倍の規模に増やすことも計画している。トータルでトマト苗を21,000株程度定植して、年間収穫量52tを見込む。
また、農林水産省の6次産業化「総合化事業計画の認証」を平成26年5月に取得したことから、近年中に直売所と加工所を同施設内に設け、規格外や裂果したトマトを加工し、トマトジュースやトマトジャム、更にはトマトジェラートを販売する計画にある。


—– 販路について

 養父市では「但馬蔵」や朝来市の「但馬のまほろば」等の地元の道の駅や豊岡市のファーマーズマーケット「たじまんま」などで販売している。発売と同時に地元新聞社や地元情報誌で紹介されたことで人気を得た。ただ、残念なことに生産量がまだ少ないため、地元以外の地域へは、ほとんど出て行っていない。小売価格は200グラム入り400円で、キロ単価に換算すると2000円になる。普通のトマトはキロ300円ぐらいが相場なのに対して、フルーツトマトとして付加価値を認めてもらっていることになると思う。今後は、栽培面積の規模拡大に伴い、販路先を京阪神方面にも出荷していく。

—– ブランド化のための取り組み

 お客様に広く知っていただき、親しみを持っていただくように「甘えん坊の赤オニくん」という自社ブランドを設定し、キャラクターもデザイン化している。ターゲットは、家族の食べるものにこだわりをもった若い主婦と子供たち(トマト嫌いな子供を含む)に設定し、この層に受けそうな名称にし、パッケージも目立つものを使っている。実際に電話やメールなどで問い合わせもいただいている。

—– 今後の活動や展望

 生産・販売だけでなく、今後は養父市観光協会等と連携をとった地域に密着した観光農園も一部目指して行きたい。そのためにも、国の補助金を活用しながら、規模拡大していく。次に予定する設備は、オランダ式のフェンロー型連棟ハウス(複数のハウスが連なった形状のもの)にしたい。但馬地方では例のない形状であるが、雪の問題に対しては、豊富に湧き出る井戸水を利用して屋根部に融雪を施す。また夏は、井戸水を冷却に充てる。また、地域資源を有効活用する計画の中で、養父市から排出される間伐材を利用した木質バイオマスを導入する。ハウス加温設備に間伐材を利用することにより、地域の森林保全にも繋がる。また、地域の雇用も創出し、活性化にも期待できる。
また、生産量を拡大した中で、販売網も増やし、全国展開さらには、海外展開を目指したい。

 


2.フルーツトマト 3.栽培風景 4.ミツバチの巣箱 5.日よけ設備 6.のぼり(甘えん坊の赤オニくん) 宮崎一彦部長 1.栽培棟外観

八鹿鉄工 トマト生産施設(太陽光利用型野菜工場) 訪問レポート概要

日時 平成26年5月7日(水) 13:30~14:30
場所 JAたじま 八鹿支店(養父市八鹿町朝倉1141)
先方 JAたじま 営農生産本部 営農課 栗田匡晃 氏 / JAたじま 朝倉さんしょ部会 部会長 福井悦雄 氏
当方 養父市農林振興課 岩見ちはる氏 / 宝塚メディア図書館 室谷(文責)

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